WiFiルーターの機能ガイド。選び方と便利機能

「WiFiルーターって何を選べばいいの?」という質問をよく耳にします。確かに、店頭に並んでいる製品を見ているだけでも頭が混乱してしまいますよね。でも大丈夫です!私の経験を活かして、WiFiルーターの選び方から便利な機能まで、誰にでもわかりやすく解説していきますね。

知っておきたい!WiFiルーターの基本機能

インターネットが私たちの生活に欠かせないものとなった今、その入り口となるWiFiルーターの選び方はとても重要です。特に最近は、WiFi 5、WiFi 6、WiFi 6E、そして次世代規格のWiFi 7まで、様々な規格が登場しており、「どれを選べばいいのか」と迷われている方も多いのではないでしょうか。

販売の現場では、お客様から「新しい規格の方が良いの?」「今使っているものを買い替えた方がいいの?」といった質問をよくいただきました。確かに、カタログやウェブサイトに書かれている専門用語を見ると、どれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。

実は、WiFiルーターを選ぶときに大切なのは、最新の規格を追い求めることではありません。むしろ、ご自身の使い方や環境に合った規格を選ぶことが重要です。たとえば、普段の動画視聴やウェブ閲覧、テレワークといった一般的な使い方であれば、必ずしも最新規格である必要はありません。一方で、8K動画を楽しみたい方や、多数のスマート家電を導入予定の方は、新しい規格を検討する価値があります。

記事の中では、WiFi 5からWiFi 7まで、それぞれの規格の特徴や違いについて、実際の使用シーンに基づいて詳しく解説していきます。通信速度や対応周波数帯といった基本的な違いはもちろん、それぞれの規格が得意とする使用シーンや、選ぶ際の注意点まで、分かりやすくお伝えしていきます。この情報をもとに、ご自身に最適なWiFiルーターを見つけていただければと思います。

現役で活躍するWiFi 5

まずは、多くのご家庭でまだまだ現役として活躍しているWiFi 5についてお話しします。2013年に登場したこの規格は、最大3.5Gbpsという通信速度を実現し、現在でも十分な性能を持っています。

WiFi 5の大きな特徴は、安定性の高さです。長年の使用実績があるため、信頼性が高く、一般的な家庭での使用には十分な性能を備えています。4K動画のストリーミングやオンラインゲーム、テレワークなど、日常的なインターネット利用であれば、特に不便を感じることはないでしょう。

ただし、最近増えてきているスマート家電やIoT機器との相性には、少し注意が必要です。同時に接続する機器が増えてくると、通信が不安定になる可能性があります。

快適な通信を実現するWiFi 6

続いて、2019年に登場したWiFi 6について解説します。最大の特徴は、通信速度が9.6Gbpsまで向上したことです。これは、WiFi 5の約2.7倍という驚異的な速さです。

しかし、WiFi 6の真価は単なる速度向上だけではありません。複数の機器を同時に接続しても安定した通信が可能な「OFDMA」という技術や、接続機器のバッテリー消費を抑える「TWT」機能など、便利な機能が多く搭載されています。

特に、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど、多くの機器を同時に使用する家庭では、この安定性が大きな魅力となります。また、テレワークでビデオ会議をしながら、他の家族が動画を視聴するといった使い方でも、快適に利用できます。

混雑知らずのWiFi 6E

WiFi 6Eは、WiFi 6の性能をさらに進化させた規格です。最大の特徴は、新しく6GHz帯という周波数を使用できるようになったことです。これは、例えるなら「混雑した道路に、新しい専用レーンが追加された」ようなものです。

この6GHz帯は、従来の2.4GHzや5GHz帯と比べて、電波干渉が非常に少ないのが特徴です。特にマンションやオフィスビルなど、周囲のWiFi環境が混み合っている場所では、この特徴が活きてきます。

ただし、6GHz帯は電波の届く距離が短いという特徴があります。そのため、広い家や壁の多い間取りでは、電波が届きにくい場所が出てくる可能性があります。この点は、導入を検討する際の重要なポイントとなります。

次世代規格WiFi 7の可能性

最後に、次世代規格として注目を集めているWiFi 7についてご紹介します。現時点では日本での正式な製品販売は始まっていませんが、その性能は非常に魅力的です。

最大の特徴は、理論値で46Gbpsという超高速通信を実現できること。これは、WiFi 6の約5倍という驚異的な速度です。また、2.4GHz、5GHz、6GHzのすべての周波数帯を同時に使用できる「MLO」という革新的な技術も搭載されています。

WiFi 7は、8K動画のストリーミングやVR/AR機器の利用、クラウドゲーミングなど、次世代のデジタルライフを支える基盤となることが期待されています。ただし、現時点では対応機器がほとんどないため、一般家庭での導入はもう少し先になりそうです。

環境に合った規格選び

それでは、実際の使用環境に応じて、どの規格を選べばよいのか、具体的な例を交えて見ていきましょう。販売時代の経験から、最も多かった質問に沿ってご説明します。

マンション・アパートにお住まいの方

マンションやアパートでは、隣接する部屋からのWiFi電波が気になることが多いですよね。このような環境では、WiFi 6Eがおすすめです。6GHz帯は、まだ対応機器が少ないため、電波干渉の心配が少なくなります。

ただし、鉄筋コンクリートの壁が多い場合は注意が必要です。6GHz帯は壁による減衰が大きいため、部屋の配置によってはWiFi 6の方が使いやすい場合もあります。1LDKや2LDKのコンパクトな間取りであれば、WiFi 6でも十分快適に使用できます。

戸建てにお住まいの方

戸建ての場合、家の広さや階数によって最適な選択が変わってきます。2階建て以上の場合、WiFi 6がバランスの良い選択となります。電波の到達距離が比較的長く、階をまたいでも安定した通信が期待できます。

特に広い家(80平米以上)の場合は、メッシュWiFiシステムの導入もご検討ください。この場合、WiFi 6対応のメッシュシステムを選ぶことで、家全体をしっかりカバーできます。

ご家族の人数や使用機器が多い場合

4人以上のご家族で、スマートフォンやタブレット、ゲーム機など、接続機器が多い場合は、WiFi 6以上の規格をおすすめします。WiFi 6は多数の機器を同時に接続しても、安定した通信を維持できます。

特に、オンライン授業やテレワークなど、ビデオ通話を頻繁に使用する場合は、WiFi 6の性能が活きてきます。家族それぞれが異なる部屋でビデオ通話をしても、途切れにくい通信を実現できます。

スマートホームを検討されている方

最近人気の高いスマートホーム。照明やエアコン、防犯カメラなど、多くのIoT機器を導入予定の方は、WiFi 6以上の規格を選びましょう。WiFi 6は多数の機器を効率的に制御できる設計になっています。

将来的に8K対応テレビやVR機器の導入を考えている場合は、WiFi 6Eも検討に値します。高速で安定した通信が必要な機器が増えてくると、6GHz帯の活用が効果的です。

一人暮らしの方

一人暮らしで、主にスマートフォンやノートパソコンでのインターネット利用が中心という方は、実はWiFi 5でも十分な場合が多いです。動画視聴やSNS、一般的なウェブ閲覧であれば、WiFi 5の性能で快適に使用できます。

ただし、これから長く使用することを考えると、予算が許す範囲でWiFi 6を選択することをおすすめします。将来的な拡張性を考慮すると、少し先行投資をしておくことで、長期的には満足度が高くなるでしょう。

活用シーン別の最適な設定

実は、WiFiルーターは購入して設置するだけでなく、使い方によって適切な設定を行うことで、さらに快適になります。ここでは、よくある使用シーン別に、おすすめの設定をご紹介します。

オンラインゲーム向けの設定

ゲーム中の通信遅延(ラグ)に悩まされている方は多いのではないでしょうか。WiFiルーターの設定で、かなり改善できる可能性があります。

まず、QoS(Quality of Service)設定で、ゲーム機への優先順位を高く設定します。これにより、他の機器が同時に通信を行っていても、ゲーム機の通信が優先されるようになります。特にWiFi 6以降の機種では、この機能がとても効果的です。

また、使用していない機能(例:外部からのアクセス機能)をオフにすることで、処理速度が向上する場合もあります。私の経験では、この設定だけでラグが大幅に改善したという声をよく聞きました。

動画視聴を快適にする設定

4K/8K動画のストリーミングでよくある悩みが、途中で画質が落ちたり、バッファリングが発生したりすることです。これも適切な設定で改善できます。

特にWiFi 6やWiFi 6Eをお使いの場合、帯域幅の設定を見直してみてください。5GHzや6GHz帯で、チャンネル幅を広く設定することで、より高速な通信が可能になります。ただし、電波干渉が増える可能性もあるので、近隣の環境に応じて調整が必要です。

テレワーク環境の最適化

テレワークでよく問題になるのが、ビデオ会議中の映像や音声の途切れです。これを防ぐための設定が効果的です。

まず、仕事用デバイスを優先する設定を行います。また、使用していない2.4GHz帯の電源をオフにして、5GHz帯に集中させるのも一つの方法です。WiFi 6E対応機器をお持ちの場合は、6GHz帯を仕事用に専有させることで、さらに安定した通信環境を実現できます。

セキュリティ設定の重要性

最後に、どの用途でも重要になるセキュリティ設定について触れておきましょう。実は、工場出荷時の設定のままでは、セキュリティ面で不安が残ることがあります。

最低限行っておきたい設定

  • 管理者パスワードの変更
  • WPA3(または最新のセキュリティプロトコル)の有効化
  • 不要なポートの閉鎖
  • ファームウェアの定期的な更新

特にWiFi 6以降の機種では、セキュリティ機能が強化されています。これらの機能を活用することで、より安全な通信環境を構築できます。

快適なWiFi環境のために

ここまで、WiFiルーターの規格や設定について詳しく見てきました。重要なのは、最新の規格を選ぶことよりも、自分の使用環境に合った規格を選び、適切な設定を行うことです。

もし設定に不安がある場合は、メーカーのサポートページを参照するか、販売店のサポートを利用することをおすすめします。初期設定で十分な場合も多いですが、ちょっとした設定の工夫で、より快適なWiFi環境を実現できることも覚えておいてください。

最後に、WiFi環境は定期的な見直しも大切です。使用する機器が増えたり、新しい用途が加わったりした場合は、設定を見直してみましょう。それが快適なインターネット環境を維持するコツとなります。